本文へジャンプ 2009年2月4日

Top pege沿革理事長の言葉学会長表彰役員・評議員会則学術集会開催記録既刊雑誌発刊計画編集委員投稿規程関連学会リンク集








5回日本獣医内科学アカデミー総会における

比較臨床医学会シンポジウムの予報

     

お知らせ:

来る平成21213日(金)〜15日(日)の3日間、新宿の京王プラザホテルおよび工学院大学校舎を会場に、第5回獣医内科学アカデミー(JCVIM)総会が開催されます。日本比較臨床医学会はこの中の1企画として、14日(土)の午後115分から工学院大学において、「潜行する動物からヒトへの共通感染症」というタイトルのシンポジウムを開催します。
 今回は、小動物と人の共通感染症に関して獣医臨床分野における第一人者のみずほ台動物病院院長、兼島孝先生と、E型肝炎の世界的権威者である自治医科大学の岡本宏明先生のご講演を企画しました。

土曜日午後の貴重なお時間ですが、ご参加の上、ご意見等いただけましたら幸甚です。

   獣医内科学アカデミー総会プログラム等の詳細は、リンク集にあるJCVIMのホームページでご覧いただけます。


シンポジウム

潜行する動物から人への感染症

平成21214日(土)午後13:1516:00

(休憩時間を変更したため、時間帯は公表されている内科学アカデミープログラム表と異なっています)

 

講演1.13:1514:00

獣医療従事者と共通感染症

講師: みずほ台動物病院/琉球動物医療センター 兼島 孝 先生

 

【講演抄録・緒論から】

ヒト医療では感染症法に基づいて地方から国へ情報が収集され、感染症情報センターで一元管理され、感染症行政が円滑・迅速に対応されている。一方、獣医療では、小動物の感染症や共通感染症の情報収集は犬のレプトスピラ症以外は行われていない。獣医師や動物看護師などの獣医療従事者は共通感染症に罹患するハイリスクグループと考えられているが、その実態も明らかではない。

今回、厚生労働科学研究(新興・再興感染症研究事業)「動物由来感染症のコントロール法の確立に関する研究」(研究協力者:神戸検疫所長内田幸憲)において、「動物病院勤務者の人獣共通感染症にかかわる健康調査」が実施された。過去の獣医療従事者の健康調査データと比較して獣医療従事者と共通感染症の問題点を考えた。

 

【講演内容】

岐阜大学平井名誉教授らのQ熱疫学調査結果、および上記厚生労働科学研究「動物病院勤務者(323)の人獣共通感染症にかかわる健康調査」の結果、あるいは小児科医による「室内犬が関与したと思われるサルモネラ腸炎の1例」報告などを解説し、獣医療従事者の自己健康管理などについての考察が加えられます。

 

 

講演2. 14:1516:00 (途中15分間休憩)

人獣共通感染症としてのE型肝炎:

ヒトおよび動物でのHEVの感染実態と

ウイルス学的研究の新知見

講師: 自治医科大学 感染・免疫学講座 岡本宏明先生

 

【講演抄録・緒論から】

  E型肝炎は経口感染型のウイルス性肝炎の一種であり、わが国では、アジアやアフリカへ旅行した人が現地で感染帰国後に発症する、いわゆる「輸入感染症」でしかないと思われてきた。しかし、今世紀に入ってからの精力的な調査によって、輸入経路を遥かに上回る頻度で国内感染が存在することが明らかになった。感染源や感染経路についての研究の進展により、本症における動物由来感染(zoonosis)の重要性が世界に先駆けてわが国で認知された。わが国ではこれまでに、ヒト以外に、ブタやイノシシ、シカ、マングースなどの動物からもHEVが分離されている。

 

【講演内容】

主に次の項目について、詳細な解説をしていただきます。

@    わが国におけるヒトでのHEV感染の実態とその特徴

豚・猪の生肉あるいは加熱不十分な調理食品(とくに肝臓)を介しての感染症

A    わが国における動物でのHEV感染の実態とその特徴

豚および野生猪における感染の実態およびこれら動物と人の感染症との因果関係を示すデータなど

B    HEVの感染培養系の確立

 

岡本先生には、JCVIM総会でのシンポジウムということで、参加者が獣医師を始め「動物に関係する職業人」であることを想定した内容をお願いしています。